この記事では、
前半で、
2019年1月3日早朝の為替相場の近況と、
後半で、
この相場を実例に、為替の急激な変動のリスクと、その対処法について触れていきます。
<リスクオフの円買いが殺到した>
NY市場の取引が概ね終わった、
日本時間1月3日午前7時半すぎ。
アップル社が、中国での販売不振を理由に、
業績を下方修正したのをきっかけに、
世界経済の減速に対する不安が急激に高まり、
リスクオフの円買いが殺到しました。
ドル円、ユーロ円、豪ドル円など、
いずれも売り注文が殺到し、急激な円高が発生。
それまで、1ドル=109円を挟む形で推移していたドル円は、
一時、104円台に突入する、円高ドル安になりました。
その後は1ドル=107円台まで戻りましたが……。
2017年から2年近くもの間、ドル円相場は静かだったので、
新年早々の急激な変動に、驚かれた方も多かったのではないでしょうか?
<値が飛ぶ形で、急激な円高が進行した>

ここで、今朝の値動きをチャートで振り返ってみます。
上のチャートは、
BigBoss社の、ドル円5分足です。
(時刻は、GMTで表記)
このチャートを見ると、
107.77円から、106.65円まで、
1円以上も、一気に値が飛んでいます。
これは、
注文があまりに殺到したために、サーバの処理が追い付かず、
データの更新が断続的になったためです。
また、この影響で、BigBossでは、
今日のこれまでの最安値は106.53円となっており、
105円台や104円台の値はついていません。
どのタイミングでインターバンクと通信したかによって、
各証券会社ごとに、
この時間帯のチャートの形はバラバラです。
<ロスカットが追い付かない相場だった>
私は、今朝はノーポジションだったので、
この為替変動で何の影響も受けていないのですが、
仮に、あなたが、ドル円の買いポジションを持っていたとしましょう。
そして、107.70円に、ロスカット(損切り)ラインを設定していたとしましょう。
(損切りの詳細と重要性は、
「
FXにおける、損切り(ロスカット)の重要性とタイミング」を参照)
しかし、このチャートでは、
1ドル=107.77円から106.65円まで、値が飛んでいます。
そのため、
107.70円の損切り(ロスカット)ラインは発動せず、
1ドル=106.65円まで含み損を拡大させてから、
損失決済が行われることになります。このように、
急激な相場の変動が起きると、
逆指値によるロスカットは、意味をなさないのです。
では、どうすればよいか?
対策は、2つあります。
スポンサーサイト
<対策1:エントリーする通貨量を絞る>
1つ目の対策は、
エントリーする時の通貨量を、低く抑えることです。
そもそもFXにおける最大のリスク対策は、
エントリーする通貨量を大きくしすぎない事です。
(「
FXの資金管理は、レバレッジより通貨数量を意識すること!」を参照)
一般的に、
口座残高の5%が、エントリーする通貨量の目安と言われています。
口座残高20万円で、1万通貨のエントリーです。
仮に今回、1ドル=109.00円の時に買いでエントリーし、
ロスカットが追い付かず、
1ドル=106.65円で損失確定したとします。
1万通貨でエントリーした場合、
損失額は23,500円。
エントリー前の口座残高が20万円だったとすると、
損失確定後の口座残高は、176,500円。
確かに痛い損失ではありますが、これだけ残高が残っていれば、
また再出発できます。
しかし、これが10万通貨のエントリーだった場合、
損失額が235,000円となり、
損失確定後の口座残高がマイナスになってしまいます。
<対策2:追証無し、ゼロカットシステム採用の証券口座で取引する>
2つ目の対策は、
FX取引する証券口座を、
そもそも、追証無し、ゼロカットシステム採用の証券会社で作成することです。
追証とは、含み損が増えて、口座残高が一定水準以下になると、
口座への入金を求められる仕組みのことです。
ゼロカットシステムとは、
今朝のような急激な相場変動でロスカットが追い付かず、
損失確定後の口座残高がマイナスになった場合でも、
口座残高をゼロにリセットし、あなたがマイナス分の借金を背負わずにする仕組みのことです。
一般的に、
日本国内のFX証券会社は、
追証があり、ゼロカットシステムを採用しないため、
今回のような相場の急激な変動が起きた場合、
処理が追い付かずに、借金を抱えることになるリスクがあります。これに対し、
海外のFX証券会社では、
追証なし、ゼロカットシステム採用が当たり前です。YAHOO!の広告見たり、
自己アフィリの報酬目当てで、
国内証券会社でFX口座作って始められる方がとても多いのですが、
FXに関しては、国内よりも海外の方が、はるかに安全です。(「
FXは海外口座の方が国内口座よりおすすめ!」も参照)
日本は海外のほとんどの国より治安がいいため、
体感的に、日本は安全、海外は危険、と言うイメージを持つ傾向がありますが、
その感覚が通用するのは、あくまで治安のみです。
FXに関しては、体感と真逆で、海外口座の方が安全です。
海外口座の安全性の見分け方は、
海外のどこかの国で金融ライセンスを取得しているかどうかです。
ライセンスを取得していれば安全です。
(例:世界的に人気の海外口座であるXMは、
セイシェル金融庁より、ライセンスNo. SD010を交付されています)
FXのリスク対策は、証券会社を選ぶ段階で、
既に始まっている上、これが非常に重要な対策です。
現在、あなたがお使いの口座が、
・追証あり
・ゼロカットシステムなし
のいずれか一方でも当てはまる場合は、
これを機に、口座の乗り換えも検討してみるとよいですね。
スポンサーサイト