2018年8月10日、トルコリラが、各国通貨に対して急落しました。
円に対しても、8月6日時点で1リラ=23円だったのが、10日には1リラ=17円と、
大幅な円高・リラ安です。
トルコリラは高金利通貨として、スワップや金利目当ての運用している方が多いのですが、
今回の急落で、多額の為替差損を被った方も多いでしょう。
高金利通貨を金利目当てだけで運用することは、実は、大きなリスクです。
金利が高いと魅力的ですが、高すぎる金利は、むしろ危険です。
この理由を知らない多くの日本人が、高金利を謳った金融商品に、ころっと騙されます。
銀行員が勧めるから大丈夫だろう、と言う、まちがった考え方をする人が多いのも、
金融商品で損失を被る人が多い理由です。
高金利通貨が危険な理由と、銀行員が当てにならない理由を、これから分けて説明します。

<なぜ高金利が危険なのか、貸し手目線で考えてみると……?>
なぜ高金利通貨が危険なのか?
それを考えるために、一度、自分がお金の貸し手になった場合を想像してみてください。
あなたは、サラ金業者です。サラ金を貸し出す業者です。
今、あなたの目の前に、貧相なサラリーマンがやってきました。
このサラリーマンは、事業の資金繰りが悪化して、あなたにお金を借りに来ました。
さて、あなたは、お金を貸しますか?
まず考えるのは、このサラリーマンは、銀行ではお金を借りられなかった人、と言うことです。
日本の銀行がうんぬんはさておいて、
銀行がお金を貸し出せない人にお金を貸し出すわけですから、
その分、貸し倒れになるリスクは大きいわけです。
銀行と同じ条件では、あなたは、お金を貸し出そうとは思わないでしょう。
しかし、サラリーマンは「どうしても」と頼んできます。
あなたもお金を貸し出して利益を得る業者ですから、なるべくなら、貸したいわけです。
では、どんな条件なら、サラリーマンにお金を貸してもよいと思えますか?
貸し倒れのリスクが高い分、得られるリターンも大きくなれば、
貸してもよい、と考えないでしょうか?ここで考えるのが、貸し出し金利です。
金利を高くすれば、その分、あなたが得られるリターンは大きくなります。
要するに、
金利が高いと言うのは、損失リスクが大きいことの裏返しなのです。
さて、あなたは気付いたでしょうか。
サラ金業者として金を貸すのも、
投信商品としてのトルコリラを買うのも、
資金の出し手になる、と言う意味では、同じです。
金利の高い商品を求め、いちばん金利の高いのがトルコリラだから、投信を買った。
これは、いちばん貸し倒れになりそうな人を選んでお金を貸し出したのと、同じことです。
金利だけに目を奪われると、一番危ないヤツにお金を貸して貸し倒れになってしまいます。
<そもそもトルコリラって、為替リスクなかったのか?>
はっきり言いますが、銀行員は、投信でも株でも為替でも、
ファンダメンタルズの話しかしてきません。
しかし、FXの格言に
「ファンダメンタルズはテクニカルに織り込まれる」というものがあります。
ことさら為替に関しては、
その通貨のチャートのテクニカル分析なしに手を出すのは、自殺行為に等しいです。

改めて、トルコリラの置かれた状況を、過去10年にさかのぼって調べてみました。
すると、リーマンショックの円高相場で急落後、2012年にかけて、さらに下落しています。
その後、アベノミクスの円安相場の影響で若干上昇し、
2014年には、前回より安値を切り上げました。
このタイミングでトルコリラを買ったなら、下落トレンド終了という判断もできますから、まだ分かります。
しかし高値を更新することなく、2015年には再び下落に転じ、
2016年には、2012年につけた最安値も下回っています。
こうなってしまったら、あとは緩やかな下落相場です。
再び上昇に転じる時には、その前に、強い下落相場がある。
これが、チャートの見方、トレンド分析、テクニカルの基本です。
ですから、2015年や、まして2016年以降、高金利だからと言われてトルコリラを買うのは、
勉強不足以外の何物でもない、勉強していれば、為替差損が発生することは、すぐ分かる状況でした。
ところで、あなたは、銀行員から、本格的なテクニカル分析の話を聞いたことは、ほとんどないと思います。
それどころか、銀行員の話は、ほとんどが営業目線の話だったと思います。
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<なぜ、銀行員の話を聞いてはいけないのか>
一言で言ってしまえば、
銀行員は、営業マンであって投資家ではないからです。
銀行員は、投信商品を売った量に応じて評価される、サラリーマンです。
ですから、いかに商品をよく見せかけて売るか、に重点を置き、
マイナスイメージはなるべく持たせないような説明をします。
さらに言えば、
投資家が買った商品が損失を出しても、銀行員に損失は発生しません。このような事情があるので、投信商品を買う時は、銀行員の説明を鵜呑みにせず、
今後伸びしろがある商品なのか、自分で分析しなければならないのです。
しかもそれは、
ファンダメンタルズだけではダメで、過去の値動きをテクニカル分析する必要があるのです。それより何より重要なこととして、
あなた自身が、金融リテラシーを高め、何が正しいのか、見抜ける必要があります。
学校では決して教わらない、金融の知識を学ぶことが、
結局は、あなたの資産を守り、お金を増やす最大の方法なのです。金融カルテル解体トレーニング興味がある方はクリックをお願いします。
かなり過激な内容で、いつ公開停止になるか分からないので、お早めに。
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