移動平均線は、FXで相場の今後を分析する上で、
基本となるテクニカル指標です。
移動平均線を使用しないFXトレーダーは、まずいません。
また、別途記載する「ボリンジャーバンド」のように、
他のテクニカル指標でも、移動平均線をベースに用いたものが多数あります。
(参考:
ボリンジャーバンドとは?FXにおける使い方)
そのくらい、基本となる移動平均線ですから、理解しておきましょう。
<移動平均線は過去の価格を平均化して線にしたもの>
移動平均線とは、その名の通り、
過去の値動きを平均化して、線にしたものです。
「過去」の範囲は、自由に決められますが、
FXの国際共通プラットフォームであるMT4では、
デフォルト設定では、20期間となっています。
これは、直近20本のロウソク足(ないしバーチャート)の終値を取って、
平均化した値を結んだものになります。
チャートの足が変わるにつれて、直近20本の範囲も、1つずつずれていきます。
それぞれの足について、直近20本の終値の平均値をとり、
それを結んだものが、20期間の移動平均線です。
計算と説明を分かりやすくするため、3期間で
移動平均線の出し方を説明した図を、以下に載せます。

<移動平均線の傾きとロウソク足の位置を見る>
移動平均線を使って、相場の勢いや方向性を見るには、
・移動平均線の傾き
・ロウソク足が、移動平均線の上下どちらにあるかこの2つを確認するだけです。

このチャートにおいて、3本ある黄色い線の内、
真ん中に来ているのが、移動平均線です。
移動平均線が右上がりで、ロウソク足が移動平均線より上にある時、
相場は買い優勢です(チャート内、赤で囲った部分)。
移動平均線が右下がりで、ロウソク足が移動平均線より下にある時、
相場は売り優勢です(チャート内、青で囲った部分)。
移動平均線がほぼ水平(または、短時間で上下を繰り返し、波打っている)
の時は、
ロウソク足は、移動平均線を挟んで上に行ったり下に行ったりします。
これは、相場の方向性がない、レンジの状態です。
<移動平均線は、価格の反転ポイントになる>
移動平均線は、相場の方向性を知るだけでなく、
トレードでも役立ちます。
相場に方向性が出ている時、
移動平均線が、価格の反転ポイントとして意識されます。
先ほどのチャートでは、1つ目の「売り優勢」の中で、
移動平均線の近くで、値が反落しているのが分かります。
また、2つの「買い優勢」の真ん中で、
一旦、移動平均線を下抜いたものの、
すぐ反転して、再び上昇になっています。
移動平均線のこのような性質を利用することで、
押し目のエントリーポイントを見付けることができます。
<移動平均線は、2本以上同時に使う>
移動平均線を使う時に注意しなければならないのは、
1本の移動平均線だけ使っても、騙される確率が高い、と言うことです。
チャート内に、複数の時間軸の移動平均線を表示させることで、
騙しの確率を減らせます。
例えば、1時間足に移動平均線を引く時、
チャート内に、より上位の4時間足の移動平均線も引く、などです。
<ゴールデンクロスとデッドクロス>
2本の移動平均線を引いた時、ポイントは、
2つの移動平均線がクロスするところです。
・短期の移動平均線が長期を下から上へ抜ける、ゴールデンクロス
・短期の移動平均線が長期を上から下へ抜ける、デッドクロスゴールデンクロスは、買いのシグナル、
デッドクロスは、売りのシグナル、
と、よく言われます。
ゴールデンクロス、デッドクロスを利用する時は、
長期の移動平均線の傾きに注意を払う必要があります。ゴールデンクロスは、長期移動平均線が右上がりの時だけ、
買いのシグナルとして考えます。
同様に、デッドクロスは、長期移動平均線が右下がりの時だけ、
売りのシグナルとして考えます。
右下がりの長期移動平均線を上抜くゴールデンクロスや、
右上がりの長期移動平均線を下抜くデッドクロスは、
レンジ相場や、
トレンドの終焉を示唆するだけで、
売買エントリーのサインではないので、注意が必要です。
<ロウソク足が移動平均線から大きく乖離したら、順張りしない>
移動平均線の傾きと、ロウソク足の位置が、
「買い優勢」「売り優勢」であっても、
順張りエントリーしてはならない場所があります。
それは、ロウソク足が、移動平均線から大きく乖離している時です。
移動平均線から大きく乖離した時は、
相場は、平均線へと戻っていく性質があります。
なので、
ロウソク足が平均から大きく乖離している時の
順張りエントリーは、絶対にNGです。
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<実際のチャートで相場の値動きを確認してみる>
それでは、実際のチャートを使って、
移動平均線と、相場の値動きを確認してみましょう。

ドル円の1時間足です。
黄色い線は、1時間足の期間20の移動平均線、
赤い線は、4時間足の期間20の移動平均線です。
それでは、見て行きましょう。
チャートの一番左側で、黄色い移動平均線(短期)が、
赤い移動平均線(長期)を上抜く、
ゴールデンクロスが発生しています。
長期の移動平均線が水平なので、これが買いのシグナルになるかは、
とりあえず、保留します。
その後、長期の移動平均線が、緩やかな右上がりに変わり、
ロウソク足が、短期の移動平均線を下抜いても、
長期の移動平均線をサポートラインとして反転する動きが出てきました。
(最初の水色の〇印)
先ほどのゴールデンクロスと合わせて、ここは押し目買いの候補です。
2つ目の水色の〇印も、
短期移動平均線を下抜くも、
長期移動平均線よりも上で、何度も反発しています。
ここも、押し目買いの候補です。
(※エリオット波動理論と言う理論を使った場合には、2つ目の〇印は、
最強の押し目買いポイントになります。
「
エリオット波動の数え方、第1波の見付け方」も、
興味があれば、合わせてお読みください)
複数の買いシグナルが出たことを受けて、
その後、価格が大きく上昇しました。
ここで、オレンジ色の矢印のところでは、
ロウソク足が、長期の移動平均線を大きく上回っています。
このようなところでは、乖離からの戻りが発生するため、
ここで買うのはNGです。
実際、乖離からの戻りで、次第に値を下げています。
チャートの真ん中で、赤い〇印の部分で、
デッドクロスが見られます。
このデッドクロスは、右上がりの長期移動平均線を、
短期の移動平均線が下抜く形なので、売りのシグナルにはなりません。
しかし、それまで続いた、上昇トレンドの終了を示唆しています。
水色の〇印でエントリーした、
買いのポジションを利確決済、手じまうシグナルです。
<まとめ>
このように、移動平均線を2本使うだけでも、
相場の方向性やエントリー、利確ポイントを、
ある程度導き出すことができます。
移動平均線の傾きや、ロウソク足との位置関係が、
今後の戦略に大きく影響します。
移動平均線は、ボリンジャーバンド
(「
ボリンジャーバンドとは?FXにおける使い方」参照)など、
他のテクニカル指標と組み合わせると、
さらに効果的な相場分析ができます。
なお、実際の相場は、なかなか教科書通りには動きません。
実践を重ねていくことでしか、
テクニカル分析の精度を上げられないのも、事実です。しかし、移動平均線と言う、大きな武器を1つ、あなたは手にしました。
実際のチャートでトレードを繰り返しながら、
移動平均線のより効果的な使い方を、身に着けていきましょう。
(合わせて読みたい:
グランビルの法則:FX8つの売買ポイント)
<参考:私が使っているFX口座>
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以下は、おまけになりますが、
こちらの「天底チャート MT4」は、
相場の反転ポイントを見極めてエントリーや決済のシグナルを出してくれます。
シグナルに従ってトレードすればよく、心理的に気楽ですので、是非、ご利用下さい。
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「天底チャート MT4」は、MT4のみに対応です。
MT5には対応していませんので、ご注意ください。
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